2011年09月25日

客ひとり  一之江


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ガラス戸からのやわらかな光が、


ゆったりとした空気感を生む。


 


 


 


 


 


 


ゆっくりとビールを口に運ぶ。


きゅうりの塩づけをポリッ


いつもならビールはググッと飲んでしまうが…


 


きゅうり.jpg


 

 


 


 


アルミの灰皿でさえ…


 

 


灰皿2.jpg


 


アァ…良い時間だ。

 


 一人飲みのよろこび。


 

posted by 川上哲也 at 22:04| 東京 ☁| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月20日

 おぼん


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この頃、おぼんをみかけない。


 


 


ラーメン屋でも、指をどんぶりの縁にかけて「おまちどう」の店が多い。


 


とくに若い経営者の店で見かけない気がする。


そんな若い経営者が育った家庭では、親たちがおぼんを使わなかったのだろうか?。


 


以前は、どんぶりの縁に、脂ぎった兄ちゃんの指が掛かる事をきらったし、店の主人も注意をしたものだが……。


 


 


いつの頃から、おぼんを見かけなくなったのだろう?


 


 


女性誌が


「南フランスで、ひと味ちがう大人の恋。」「なんといってもイタリア素敵!」なんて、わけのわからないクスグリで盛んにヨーロッパ旅行を紙面で満たしはじめた1980年頃からか?……。


 


やたら前掛けを、腰ではなく尻、それも尻の半分あたりでしめる店員を多く見かけるようになった。


自分ではキリッとかっこ良いつもりだろうが…。


日本人は、新しい物にはすぐに飛びつく癖があるからな。


 


 


カウンターだけの店はともかくとして、小上がりや、


テーブル席などがあるちょっと広めのお店では、


是非ともおぼんを使ってほしい願う。


 


 


白衣や割烹着を着たおねえさんが、


料理をおぼんに乗せ、ス、ス、スーと目の前にくる。


「おまちどうさま、鯉のあらいです」と……


カタチとして気持ちよい。 


 


おぼんをきれいに使ってほしい。


おぼんをなくさないでほしい!


 


 


おぼん、 ん、 ?


おぼんには、こぼんもなくてはならない。


 


おぼん、こぼんは元気だろうか。


 

 

 

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posted by 川上哲也 at 15:38| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月10日

じっとり、飛鳥山に散る  王子

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「らくだに似ている」と思った。


 


 


 


細身の、日焼けした脂肪分のない枯れた身体。


 


顔つきは鳥類なのだが、潤んだ目は大きく、砂漠のらくだを思わせる。


 


「おれは部屋では酒を飲まない、を肝としている」とちょつと強い口調で


 


言った。


 


「ずいぶんきれいな飲み方されるんですね?」と言うと


 


すこしはにかんだ。


 


歯のない笑み


 


しかし、細面の顔はくずれがなく。いえば涼しい顔だ。


 


彼は淡々と酒を口にはこぶ。


 


 


 


彼はひとり暮らしで、仕事もやってない。


 


「おれは朝飯のかわりに、2〜3杯飲む」彼は言う。


 


ゴミを出して、その足で店に行くんだ。


 


昼から飲む、では気に食わないらしい。


 


それで夜は夜で、しっかり飲むんですね?


 


「夜はみんなに会えるし、夜の酒はたのしいよ。」


 


 


朝から開店している、この店が休みのときは、


 


巣鴨まで自転車に乗って、ある食堂まで行くらしい。


 


 


「起きがけのの酒はそんなにうまいんですか?」と聞くと、


 


お前さんも朝飯はうまいだろう!、それと同じだよ。


 


「わかります!朝飯を食べたくて起きるようなものです。


 


私も朝飯なしがいちばんさみしいです。」


 


この返事に彼の顔が微笑んだ。


 


 


 


「ちょっと一軒付き合うか?」


 


「カラオケはいやなんですけど」。と私


 


「カラオケはおれもすきじゃねえ!


 


金を出して幼稚園のこどもみたいにツルんで歌うなんて、オカマかナルシ


 


ストだよ!」気色悪い。


 


「歌うなら大きな声をだして海で歌え、山で歌え」


 


 


 


そのあと、彼はおでんはどうだ!と言った。


 


駅の反対側のおでんやに。


 


 


ツマミもイカさしみ、くじら立田揚げなど


 


何でも来い!だったのだが、 じつは歯が一本もない。


 


しかしなんでも食べる。いや、なんでも飲み込む。


 


だがコンニャクは食べにくいらしく、食うか?と私の皿に。


 


たいへんなうわばみじいさんだったのだ。


 


 


その後も飲むスピードはかわらず、日本酒がいつのまにか空に。


 


彼のテンポよさにつられこちらの酒もすすむ、進む。


 


強いですね〜と言うと「2日前、一升飲んだな。」


 


ひえ〜、は、はやくその事を言ってよ。


 


 


 


帰りは記憶にございません。


 


じっとり、73歳にまける。


 


 


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posted by 川上哲也 at 21:59| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月03日

三ちゃん食堂 2 

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 となりのテーブルの、70代夫婦の奥さんは生ビール、ご主人はチャーハン。

 

どうやらお酒を飲まないご主人らしい。

 

奥さんはビールをグビッ、たばこをスパッ、そしてやわらかな目が中空をみつめ、幸せそうだ。

 

ご主人は、自分のチャーハンを、奥さんの小皿に取り分けて上げている。

 

ふたりはあまり会話もないが、ご主人のチャーハンを分けるしぐさが、「いつもの

 

こと」を表している。

 

ご主人が分けてくれたチャーハンをつまみにビールをグビッ。

 

ご主人は食べ終わり、奥さんはゆっくりビールを飲む。

 

なかよし夫婦。

 

 

 

20代の若者が2人、ひとりは豚焼き肉丼、もうひとりはカツ丼。

 

器からはみでるような、ガッツリ丼を三分の一ほど食べて、互いの丼を交換。

 

互いの丼をみつめ、食べた量を計っている。

 

そして又交換。

 

あの年代の頃は、あれも食べたい、これも食べたいの時期で、いくらでも食べれたなぁ

 

 今日はなんとも微笑ましい二場面を見せてもらった。

 

こんな場面を目にしながら飲む酒はウマイ!。

 

 

 

さかな好き はやめしの、洋品店主には会えなかったが、

 

中空さんは、今日も定席のカウンターで、身振り、手振りでいそがしい。

 

 

今日は、あなごてんぷら、えんどうまめ塩煮、それにナムル、最後にしょうゆラーメン。

 

 

 

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posted by 川上哲也 at 03:33| 東京 🌁| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月30日

朝暘  阿佐ヶ谷





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 うれしかった。

 

 

この店にくるたび、うれしかった。

 

むかし、よく此処でごはんをたべた。

 

ご主人と奥さんのふたりで、きりもりしている中華屋さん。

 

カウンターと小テーブル、10人も入ればいっぱいで、奥の客が「勘定」するときなんか

 

入り口付近の客は、立ち上がり体をずらすほどの小さい店。

 

 

この店で、はるさめうま辛炒めやブタ玉をはじめて食べ、

 

あじフライ、ホイコウロウ、ポテトサラダなどをよく食べた。

 

どの定食も500〜600円で空腹の若者たちでにぎわっていた。

 

酒類は、日本酒とビールしかなかったが、他で酔った後、最後にごはん!のお店だったので、ビールで十分だった。

 

この店は麺類よりも、ごはん類、あるいは中華定食に人気があり、

 

大陸的でおっとりした奥さんがごはんのセット担当、ごはんはすこし押さえつけぎみで量が多く、

 

ごはん好きの若者には、うれしかった。

 

ちなみに、いまでもごはん好きはかわらない。

 

そしてふたりのうれしそうに働く姿を見るのが、うれしかった。

 

ごはん多めとともに、うれしかった。

 

たまに、軽い口げんかをしていても、ご主人のくちぶりから、奥さんのことが好きなことがみていてわかるほど。

 

本当に仲のよい夫婦。

 

毎日、仕事がある事、仕事を楽しんでいる事が、ふたりを見ていると感じられた。

 

 

 

アパートを転居し、15年ぶりくらいにふらりとのぞいて見たら、

 

「おぼえているよ〜」ご主人の一言が、うれしかった。

 

奥さんの姿はなく、ご主人ひとりで奮闘されていた。

 

おくさんは3年前に突然亡くなられたそうだ。  

 

合掌

 

 

うれしそうに働くふたりの姿、中華鍋を振る音、おぼえているよ〜。

 

 

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posted by 川上哲也 at 21:54| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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