2011年10月30日

錦糸町西部劇  錦糸町


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しっかりとした料理。

おかみさんのみせるキリッとした応対。

それと、おかみさんの真っ白な割烹着姿とがあいまって、

この店を訪れる客は多いと思う。


この町にはめずらしく「客を迎えるという」

緊張感が感じられる好感もてる店だ。

週末は、昼から中高年の客が絶えない。

おかみさんとの会話と、軽い料理を楽しんでいる。


おかみさんの割烹着の影響かもしれないが、

私は、この店ではなぜか日本酒を飲みたくなる。

日本酒は、香りもすっ飛ぶような熱燗ときめていて、

なぜか、日本酒の熱燗を飲むとゆったりとする気がする。

これはビールや焼酎(私は年中、芋のお湯割り)

では無い感じだと思う。


かんかんの熱燗を飲んでいると、

お茶の500mlボトルを、ズボンの右ポケットに、

ギューツとボトルのなかほどまで押し込み、

左ポケットには、大きな長財布&大きな鎖付きを入れ、

西部劇のガンマンよろしく店内に入ってきた。


30代と思われる、会社員風、白ワイシャツに黒ズボンの男。

ぷくぷくの赤ちゃんが急に30男になったような体

(相撲取りの子ども版)に、童顔おかっぱ頭。


男のはいたズボンは、お茶のボトルや財布などをポケットに

押し込まなくてもピッチピチなのに、

「お兄さん、それじゃズボンがかわいそう」

と誰もが一言いいたくなったと思う。


あらくれ男どもが、バーボンをキーッと飲み、

ポーカーでいかさま、テーブルをひっくり返す… 

しかし、店内の男どもは、

あらくれではなく、のんだくれ、

バーボンではなく、ホッピー、


そしてポーカーではなく、

競馬のはずれ馬券を思いっきり破く。


まっ、似てなくもないか?。


「申し訳ございません、

ただいま席はいっぱいでございます」

とおかみさんが身を挺するように男の前に立った。 


彼は焦点の定まらぬ視線で店内を見回した。

店内の席は満杯に近い。彼は店に2〜3歩入り、

まわりを見回して、もっそりと反転。


するとズボンの後ろポケットにも、

黒の折りたたみ傘が深く押し込まれていた。



「なんか す 、すごい」




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posted by 川上哲也 at 09:53| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月16日

若い娘か、年増女か  曳舟

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もう10年ちかくにもなるか?



しびれるようなあの味が忘れられないんだ。

最初に出会ったのも、曳舟の酒場だった。

それまで、酒の肴といへば「さしみ」しか思い浮かばなかった。


子どものころから、父親の晩酌には、よくさしみが載っており、

父親にさしみを口にいれてもらっていた。

そんな事もあり、酒の肴はまずは「さしみ」。

その習慣が、私の中にも当たり前のように染み込んでいたと

思う。

それが、何十年も続く習慣になっていた。


その習慣を、私の横にすわっていた、

酔っぱらいのじいさんが打ち破ってくれた。


私の注文したクジラ刺しが調理場へ通ってなく、肴のないまま

酒を飲むはめになってしまった。


すると、

となりのじいさんが、自分の焼き上がった赤魚粕づけを

「食え、これを食え、肴がくるまでこれを食え」

と押し付けて、一歩も引かないのだ。


はじめは断っていたが、

じいさんの志をむげにするのも気が引けて、 

「いただきます」とありがたく頂戴した


しかし、はじめて食べた赤魚粕づけは、

けっしてうまいとは思えなかった。


じいさんに悪いと思い、必死で食べたのを思い出す。


だが、慣れとは恐ろしいもので、

ゲェーと思いながらも、一週間で3回ほども食べるように…。

あの毒のような強い味にやられたようだ。


さしみは、味が繊細なので最初に食べるのが良いと思う。

好みで途中で食べてもよいが、

前に食べた料理に負けてしまうので、

存在を主張できずかわいそうだ。


赤魚の粕漬けを食べたあとは、粕の味が強く、

しばらくは他の料理を食べても味が負けてしまう。


赤魚粕漬けは、最後に食べるものか?。

それとも、「エェイ 今日はどうにでもなれ!と最初に食べ、

そのあと、ホヤの三杯酢など、濃い品々で攻め抜く」と

いう手もある。


さしみがピッチピチの若い娘さんなら

赤魚の粕漬けは年増女。

新鮮さはかなわないが、若い娘さんにはない味がある。

複雑な味に嫌気がさし、「やっぱり若い娘がいい!

素直が一番!」とよくさしみに戻ったりする。


しかし、素直なだけにも、物足りなさを感じ、

あの舌がしびれるような強い味が忘れられなくて、

気がつくと、メニューから赤魚の粕漬けを探している

自分がいる。



赤魚粕漬けは狡猾な味だと思う。



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posted by 川上哲也 at 11:37| 東京 ☁| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月08日

風通しのよい男  立石




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この男、いわゆるイケメン?ではない。


髪は坊主頭、顔は十人並みだろう。


スタイルも、今風の足長君でもない。


そう、赤塚不二夫の漫画、おそ松くんに出てくる「でこっぱち」

に似ていると思う。




この店には、二つの入り口がある。


二つの入り口に、1時間も前から開店を待つ多くの人が並ぶ。


開店。


店は40人くらいの客で満杯になる。




モツを食べたい気持ちを、じーっと抑えに抑え、

イレコミ状態になった客たちから、せわしなく上がる注文を、

(この店は焼き方を細かく注文できる)的確に調理場に伝え、

焼き上がった部位を間違わず注文主に届ける。




シロもつだけでも、なま、塩、たれ、素焼き、みそ、があり、


あと若焼き、よくやきなどある。


書いているだけでも混乱する私である。




彼のキレのある言葉や、よどみのないしゃべり方が心地よい。


彼の客さばきを見ていてうれしくなるのは私だけだろうか。




彼は小脇に抱えた一升瓶から、


焼酎をグラスになみなみと注ぎ、客の飲酒数を頭に叩き込み、


「お兄さんはもう3杯だからそろそろ終わりね」と注意。


勘定へともって行く。




私がまず注文するのは「タン生に、レバ生酢、大根、焼酎」。


新鮮なモツ焼きや、大人向きのフワ入り煮込みの味も好きだが、

このお兄さんの仕事ぶりを眺めながら飲む酒がおいしく、


私をこの店に向かわせる。


この兄さんを見て、はじめてCOOLの英語が浮かんだ。






夕暮れの川をわたる秋風が、酔った肌に気持ちよい。





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posted by 川上哲也 at 07:43| 東京 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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